明日も精神科医

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Posted by kobayashi_kei on

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まだ全然準備できてないんだよね。

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明日旅行に行く人、明日提出するレポートがある人、明日学会で発表する人、明日新しいお店をオープンする人、なぜか皆口をそろえて「まだ全然準備ができていないんだよねー」と言います。

これは"準備できてない自慢"と呼ばれる現象で、明日締め切りなのに準備ができていない不安を分かち合いたい心理と同時に、前日までこんなに忙しくて全然準備ができなかったんだから明日なにか問題があっても大目に見てほしいという甘え、さらには前日準備ができていないにもかかわらず(本当は口で言うほど準備できないないわけではないケースもあり)本番になったら俺はバッチリやっちゃうよという自負などが複雑に織り込まれ、不安、自嘲、ドヤ顔が入り交じった独特の表情をしています。たとえツイッター越しでも容易に想像できるほど、皆同じような顔をしています。

やれよ!大人なんだから!と思いますが、かくいう自分も例にもれず準備できてない自慢をする類いの人間であるため、まったく人のことは言えません。


どうして人はこんな状態に陥るのでしょうか?大人なのに。自分は準備ができていないと語る人に「どうして準備できていないんですか?」と聞くとだいたい「ずっと忙しくてバタバタしててー」みたいなことを言いますが、こうした話をするときは大抵どこかでダラダラ飲んでいる時なので、この証言は嘘だとわかります。酒飲む暇があるなら準備できるはずです。


なにかしらの期限が定められたとき、人はそのタイムリミットから逆算して行動の開始時期を決定します。
たとえば料理をするのであれば、時間をオーバーすることも、早くできすぎて冷めてしまうこともよろしくありません。丁度いい時間に丁度いい状態の料理を完成させることを考えると、お米を炊く、煮物を作る、炒め物を作るなどの順番やタイミングが自ずから決まってきます。
こうした調節は最初から上手にできるわけではなく、人生経験を積んで学習を繰り返すほど、より効率よく、より失敗のないタイミングで物事を進めることができるはずです。

ただ興味深いことに、この逆算される時間の感覚というものは、個人間で驚くほど異なっています。
もともとその人のできる仕事のスピードや、失敗ややり直しの確率を想定するなどの要素も含まれますが、明らかに毎回間に合わないペースで始める人、逆に毎回とんでもなく早い段階で仕上げる人もときどきおり、時間の計算能力、もしくは時間の感覚そのものに大きな個人差があることを伺わせます。

この感覚が大きくずれていることが精神的な疾患というわけではなく、治療してどうこうという話でもないのですが、締め切りを守れないことでの社会的な支障は大きく、周囲に迷惑をかけ、信頼を失わせる大きな一因となります。(参照:『まんが道』 藤子不二雄A)

かくいう自分も正確な時計を備えている類いの人間ではないようで、毎回「次はもっと早く準備しよう」と思いつつ、いざ早めに準備を始めると、絶望的なほどに仕事がはかどらず、結局切羽詰まるくらいのタイミングでないと始められない体質になっています。時計の問題というよりは締め切りに対する認識の甘さの問題なのでしょう。
この感覚そのものを根本的に直すことは難しく、また時間はあるのにやるべきことがはかどらない悶々とした感じもイヤなので、最近ではオーバーしない程度にできるだけ抱えているタスクを増やし、日々やるべきことの密度を上げるよう努めています。そうすれば「忙しくて全然準備ができていないんだよね」という言い訳も立ちますし。


8月31日に宿題がまったくできていなくてパニックを起こすのは、のび太とカツオとちびまる子ちゃんくらいで現実にはそうそういないと思っていましたが、大人になればなるほどギリギリまで溜め込む人の数も、その時間的ギリギリの度合いも上がっている気がします。

今こうして趣味のブログを書いている間にも、やらなければならないことの締め切りは刻一刻と近づいています。このスリル!"準備できてない自慢"は、誰にも褒められない挑戦者としての生き様なのです。たぶん。

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