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クイズ

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このバスはどちらに前進するでしょう?

というクイズを初めて出されたとき、最初「こんなのわかるわけがない!」と思いましたが、解き進めていくうちに「賢い人もいるもんだ!」と、ささやかな感動を覚えた記憶があります。
今回はこの「わかるわけがない」から「賢い人もいるもんだ」に変化した過程を追っていきたいと思います。


1.情報の不足

まずは"バス"としての情報の不足です。四角くて窓があってタイヤがあって、たしかにバスと言われたらかろうじてバスに見えますが、現実のバスとは大きく違います。こんなに完全なシンメトリーではないですし、座席もハンドルもライトもあるはずです。つまりバスの前後に関する情報をいっさい排除された状態で前後を当てろというのですから、むちゃくちゃな問題です。「こんなのわかるわけがない!」となるわけです。


2."図"であることの先入観

次に、一目見てわかるように、これは平面に描かれた"図"です。私たちはある図が提示されたとき、大抵そのイメージをそのまま受け止め、そこから立体的に膨らませるという作業はしません。
この傾向は図がシンプルで平面的であるほど顕著であり、初期情報が少ないほど平面→立体への脳内での変換は難しくなります。例えばうさこちゃん(ミッフィー)を横から見たらどうなるか、斜めから見たらどうなるのかということについてあまり考えませんし、「くんくんとかじ」でくんくんが思い切りカメラ目線で右方向に全力疾走しているのも、絶対に突っこんではいけない描写です。
この問題のバスもまた、シンプルで平面的な図であるため、直感的にその思い込みに縛られてしまい、そこから三次元のバスをイメージする作業を怠ってしまいます。


3.無いものについて考える

1でも書いたように、このバスは本来のバスにあるべき様々なものがありません。目の前にある情報から解答に辿り着けない場合「必要な情報が無いからわからない」という思考に陥りがちです。しかし「じゃあ必要でかつ不足している情報は何か?」と考えることには大きな価値があります。
このバスの場合であれば、ハンドルが無く座席も無くライトも無く、そしてドアもありません。ハンドルと座席とライトについては省略されたとしても、ドアについては"描かれていない"のではなく、"見えていない"だけかもしれません。
「じゃあドアはどこにあるのか?」そう考えたときに、このクイズは解法に向かっていきます。


単純なバスの絵からどちらが前か当てるだけのシンプルなクイズですが、意外と複雑な思考過程を要求される良問です。こういうことを思いつく賢い人もいるもんだと思います。

こうしたクイズや試験問題にはだいたい1対1の解答がありますが、生活上のほとんどの問題は答えがあるのかないのかわからない状況で、最も適切な解答を求められます。その多くの場合で初期情報は不足し、経験や常識に基づく先入観に縛られ、「無いのであればわからない」と考えることで諦めてしまいます。このクイズを解くための過程は、そうした問題を解くためのヒントを与えてくれるかもしれません。

クイズがヒントになる。物事は意外な形でつながっていきます。

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