明日も精神科医

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奥歯にもののはさまったような

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ある歌の歌詞に「よく当たる星占いに そういえば書いてあった 今日会う人と結ばれる 今週も来週も再来週もずぅっとぉぉぉお! オーイェー!」というものがあります。
凄いな、星占いなのにそんなに断定していいのか、よく当たるとはどういうことか、そんなに当たっていいものなのかとずっと考え続けていますが、いまだにそんな勢いのある星占いにお目にかかったことはありません。

占いとは、不確定な未来になんらかの指針を与えてくれるものです。手相や姓名判断では個々人の持つ特徴から統計学的なパターンを見いだし、様々な予測を立てていきます。雲や気圧のパターンから統計学的なデータを収集して降水確率を予測するようなものです。一方で星占いや血液型占いは人間を12等分、4等分にしかしないため、その分一つのカテゴリに含まれる人数は増えることになります。よく当たる、すなわち多くの人が共感できるようにするためには、できるだけ非断定的で様々な角度から捉えられる表現が必要になります。
未来に関する占いを求める人は、多かれ少なかれ生活に期待や不安を抱いている人であり、良いことが起きると言われれば嬉しくなり、悪いことが起きると言われれば何かしらの備えをしたいと考えています。


病院を訪れる人も、どうも心境としてはこれと近いような気がします。なにか心配なこと(症状)が生じたために専門家(医者)を訪れ、病気なのかどうなのか、治療は必要なのか、治って元気になれるのか、放っておけばどのくらい悪くなるのかといった自分ではわからない未来についての意見を期待しています。
医者の方もまた、症状や検査データといった個人に関する情報を収集し、統計学的なデータに裏打ちされた専門知識を使って、診断や予後、治療方針を予測します。情報のパターン化、データとの照会、そして未来の予測という点では占い師の人たちとしていることは同じです。違っていることと言えばその後の介入の仕方についてであり、祈祷やお札やツボに比べて、薬や手術などはその介入によるデータも蓄積されており、一般に"信頼できる"イメージを作り上げています。


しかしここで重要なのは、あくまで"予測"であり"断定"ではないことです。データが集まれば集まるほど例外は増え、人間を調べている限り100%ということはまずあり得なくなってきます。「99%大丈夫です」も、言い換えれば「100人に1人は死にます」となり、自分がその100人の1人になるかどうかは誰にも予測できないのです。病院を訪れたところで得られるのは確率の情報であり、治療もまたその確率を上げるに過ぎません。しかし患者さん個人にとっては治るか治らないか、生きるか死ぬかのオールオアナッシングの世界であり、その溝を埋めることは現代の医療では100%不可能です。

そしてさらに話が曖昧になるのが、精神科の領域です。まず病気か病気じゃないかの境界が全然はっきりしていません。例えば統合失調症をとっても症状や程度は人によって本当に様々であり、施設や医師の間でも診断の基準はけっこうバラバラです。診断のための国際的な指標も存在しますが、それも改訂の度に大幅な変更がなされており、「あんなものに頼らずに精神科医師としてのセンスをもっと養うべきだ」という説得力があるんだかないんだかわからない主張も、いまだにしっかりと幅を利かせています。
そんな中で蓄積されたエビデンスにどれだけの信憑性があるのか。拠り所を持てない精神科は格好の批判対象となり、その批判に対しても明確な反論ができず、曖昧でうさんくさい立場を貫いています。


「おそらく統合失調症という病気だと思います」「薬を飲めば良くなると思いますが、合う合わないはあり、そればっかりは飲んでみないとわかりません」という奥歯にもののはさまったような説明をする度、精神科医は医師として必要最低限のニーズにすら応えられていないと感じます。
「今日会う人と結ばれます!今週も来週も再来週もずっと!オーイェー!」と言えたらいいのですが、そんな医者こそ1ミリも信用できません。

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